Webデザイナーの転職活動完全ガイド|書類選考・面接で落ちないための対策
未経験からWebデザイナーへの転職を成功させる鍵は、「学習者」から「課題解決者」へと意識を変えることです。採用担当者は、あなたのスキルリストよりも「自社の課題を、デザインの力でどう解決してくれるか」という未来の貢献意欲を見ています。
本記事では、採用担当者10名への独自インタビューで得た「本音」を基に、書類選考で9割が間違う志望動機の作り方や、面接で「この人と働きたい」と思わせる自己PR術まで、内定を勝ち取るための全対策を徹底的に解説します。
この記事のポイントまとめ
- 課題解決者の視点
- 志望動機が最重要
- 過去の経験は武器
- ポートフォリオで語る
- 企業研究が全て
- 未経験は伸びしろ
採用担当者は「未来の仲間」を探している。「学生気分」を捨て、「貢献意欲」を示せ
- スキルではなくスタンス
- 学生気分は不採用
- 貢献意欲を語る
- ビジネス交渉の場
ポートフォリオも完成し、いよいよ転職活動本番。しかし、期待と同時に「未経験の自分なんて、相手にされるだろうか…」という大きな不安に押しつぶされそうになっていませんか?
今回、私たちはWeb制作会社や事業会社の採用担当者10名に、匿名を条件に「未経験者の選考で、本音では何を見ているのか」をインタビューしました。そこで全員が口を揃えて言ったのが、衝撃的な一言でした。
【Web制作会社A社・アートディレクター】
「正直、スクール卒業生のスキルレベルに大きな差はありません。私達が見ているのは、その人のスキルではなく“スタンス”です。『教えてください』『学ばせてください』という”学生気分”の人は、いくらスキルが高くても採用しません。欲しいのは、『自分のスキルで、この会社にこう貢献したい』と語れる、未来の”仲間”なんです。」
そう、転職活動とは、あなたのスキルを一方的にアピールする場ではありません。企業が抱える課題に対し、あなたのスキルを使ってどう貢献できるかを提案する「ビジネス交渉」の場なのです。
この記事では、採用担当者たちの生々しい本音を基に、あなたが「未来の仲間」として選ばれるための、書類選考から面接までの全戦略を授けます。
スタンスが全て
【採用担当者の本音①】書類選考で”即お祈り”されないための鉄則
- 職務経歴書の書き方
- 志望動機の作り方
- 自己PRのコツ
何百通もの応募書類に目を通す採用担当者。彼らの目に留まり、「この人に会ってみたい」と思わせるための3つの重要書類の書き方を、担当者の”本音”と共に解説します。
職務経歴書:過去の経験とデザインスキルを「繋げる」技術
未経験者は職務経歴書で「Webデザインと関係ない経歴ばかり…」と悩みますが、それこそがチャンスです。
【事業会社B社・人事部長】
「前職が営業だった人が、『顧客折衝経験を、クライアントへのヒアリングとデザイン提案に活かせます』と書いてきた時は『おっ』と思いましたね。過去の経験を、デザイナーの仕事にどう活かすか。その”翻訳能力”が見たいんです。」
【対策】
スキルの羅列はNG: 「Photoshop使えます、HTML書けます」だけでは響きません。誰でも書ける内容では、採用担当者の目に留まりません。
「ポータブルスキル」をアピール: 前職で培った「コミュニケーション能力」「課題解決能力」「プロジェクト管理能力」などを抽出し、それがWebデザイナーのどの業務で活かせるかを具体的に記述しましょう。
例えば、接客業の経験があるなら「ユーザー視点でのUI設計」に活かせます。営業経験があるなら「クライアントへの提案力」として武器になります。事務職の経験があるなら「細かい作業を正確にこなす力」がコーディングで活きます。前職の経験を、Webデザイナーの仕事に翻訳する作業が、採用担当者の心を掴みます。
志望動機:9割が間違うNG志望動機と、内定を掴むOK志望動機【例文あり】
志望動機は、あなたの“本気度”が最も問われる項目です。
【Web制作会社C社・採用担当】
「『貴社の理念に共感しました』『Webデザインで多くの人を笑顔にしたい』…正直、読み飽きました(笑)。一番嬉しいのは、『御社の〇〇というサイトの、△△の部分が使いにくいと感じた。私なら、学んだUIの知識を活かしてこう改善します』と、うちの会社を”自分ごと”として考えてくれている志望動機ですね。」
❌ NG例文
「手に職をつけたいと考え、Webデザインを学びました。中でも、常に新しい技術を取り入れ、成長を続ける貴社の理念に深く共感いたしました。未経験ではありますが、一日も早く戦力になれるよう、何事も積極的に学んでいきたいと考えております。」
→なぜダメ?: 「学びたい」という受け身の姿勢で、どの会社にも言える内容だから。これでは、採用担当者の心に響きません。
✅ OK例文
「前職で利用していたECサイトの使いづらさからUI/UXに興味を持ち、Webデザインを学びました。特に、貴社が制作された『〇〇』のサイトは、ユーザーを楽しませるアニメーションと、分かりやすい購入導線が両立しており、深く感銘を受けました。私が学習したJavaScriptの知識を活かせば、〇〇の予約フォームをさらに使いやすく改善できると考えております。貴社の一員として、”使って楽しい”サイト作りに貢献したいです。」
→なぜOK?: 具体的な企業研究、自分自身のスキルとの接続、未来への貢献意欲が明確だから。この志望動機なら、採用担当者は「この人は本気で当社で働きたいんだ」と感じます。
自分ごとで語る
自己PR:あなたを雇う「メリット」を提示する
自己PRは、あなたという商品を売り込むためのプレゼンテーションです。
【スタートアップD社・代表】
「僕らが知りたいのは、その人が優秀かどうかより、『うちの会社にフィットするか』『どんなメリットをもたらしてくれるか』なんです。『成長意欲が高いです』より、『私は〇〇が得意なので、チームの△△という課題を解決できます』と言ってくれる人の方が100倍魅力的です。」
【対策】
企業のサイトやSNSを読み込み、その企業が今どんな課題を抱えているか(例:人手が足りない、SNSが弱いなど)を推測しましょう。そして、その課題に対して、あなたのスキルや人柄がどう役立つかを提案するのです。
例えば、企業のInstagramのフォロワーが少ないことに気づいたら、「SNSでの情報発信が得意なので、魅力的なビジュアルコンテンツ制作でフォロワー増加に貢献できます」と提案できます。企業のブログが更新されていないなら、「ライティングスキルもあるため、SEOを意識した記事作成でサイトへの流入を増やせます」とアピールできます。
自己PRは、あなたの強みを一方的に語る場ではなく、企業の課題を解決する提案をする場だと認識しましょう。
【採用担当者の本音②】面接で「この人と働きたい」と思わせる会話術
- ポートフォリオプレゼン
- 頻出質問への回答
- 逆質問の作り方
書類選考を突破したら、いよいよ対面のコミュニケーションです。ここでも「学生気分」は禁物です。採用担当者は、あなたのコミュニケーション能力、論理的思考力、そして何より「一緒に働きたい」と思える人柄を見ています。
最重要!ポートフォリオのプレゼンテーションで意識すべき3つのこと
面接で必ず求められるのが、ポートフォリオの説明です。これが最大の山場です。
【Web制作会社A社・アートディレクター】
「作品のクオリティは、正直言って二の次です。それよりも、『なぜこのデザインにしたのか』を、自分の言葉で、論理的に、楽しそうに語れるかを見ています。自信なさげに『頑張りました…』では、『この人、クライアントにデザインの説明できるのかな?』と不安になります。」
【プレゼンで意識すべき3つのこと】
①結論から話す: 「この作品では、〇〇という課題を解決することを目指しました。」と、まず結論を述べることで、面接官の理解を助けます。ダラダラと経緯から話し始めるのは避けましょう。
②ストーリーを語る: 「そのために、ターゲットを△△と設定し、□□という工夫をしました。」と、デザインに至るまでの思考プロセスを論理的に説明します。デザインには必ず理由があるはずです。その理由を明確に語れることが重要です。
③情熱を見せる: 「特にこだわったのはこの部分で…」と、作品への想いを自分の言葉で語る。目を輝かせて、楽しそうに作品について語る姿勢が、「この人はデザインが本当に好きなんだ」という印象を与えます。
プレゼンの元となる、最高のポートフォリオの作り方はこちら
👉 Webデザイナーのポートフォリオの作り方|採用担当者に響く作品集の構成術
【頻出質問と回答例】面接官が本当に知りたいこと
面接でよく聞かれる質問には、必ず採用担当者の「本音の意図」があります。その意図を理解した上で回答することで、評価が大きく変わります。
| 頻出質問 | 質問の意図(採用担当者の本音) | 回答のポイント |
|---|---|---|
| なぜWebデザイナーになろうと思ったのですか? | ストレス耐性、学習意欲の源泉は何か?すぐ辞めないか? | 「〇〇という原体験から、デザインで課題解決することに魅力を感じた」など、ポジティブな動機を語る。「今の仕事が嫌で…」はNG。 |
| なぜ、数ある会社の中からうちを選んだのですか? | うちの会社への本気度は?ちゃんと調べてきたか? | その会社でしか成し遂げられないことを語る。「貴社の〇〇という実績に惹かれた。私も〇〇な仕事がしたい」など、具体的な事業内容と自分を結びつける。 |
| あなたの長所・短所を教えてください | 自己分析ができているか?デザイナーとしての適性は? | 長所はデザイナーの仕事に活かせるもの(例:粘り強さ、好奇心)。短所は、それをどう改善しようとしているかまでセットで語る。 |
| 将来、どんなデザイナーになりたいですか? | 成長意欲、キャリアプランはあるか? | 「まずはコーディングもできるデザイナーとして基礎を固め、3年後にはUI/UXの専門性を高めて、サービスの改善に上流から関わりたい」など、具体的で現実的なキャリアプランを示す。 |
これらの質問に対して、自分の言葉で誠実に答えることが重要です。暗記した答えを棒読みするのではなく、面接官と対話するつもりで、自然に語りましょう。
意図を理解して回答
評価が爆上がりする「逆質問」の作り方
面接の最後に必ず聞かれる「何か質問はありますか?」。これは、あなたの意欲を示す最後のチャンスです。
【事業会社B社・人事部長】
「『特にありません』は論外。『福利厚生は…』もがっかりしますね。一番嬉しいのは、『入社までに、何か他に勉強しておくべきことはありますか?』という質問。この人は本気でうちで活躍する気があるんだな、と感動します。」
【OK逆質問の例】
- 「もし入社させていただけた場合、どのような方がOJT(教育係)を担当してくださる予定ですか?」
- 「現在、デザインチームが抱えている最大の課題は何ですか?」
- 「〇〇様(面接官)が、この会社で働いていて一番やりがいを感じる瞬間はどんな時ですか?」
- 「入社までに、特に強化しておくべきスキルがあれば教えてください」
- 「チーム内のコミュニケーションは、どのようなツールや方法で行われていますか?」
逆質問は、あなたの関心の高さと、入社への本気度を示す絶好の機会です。事前に企業研究をしっかり行い、その会社ならではの質問を用意しておきましょう。給与や休日などの待遇面の質問は、最終面接や内定後にするのが無難です。
Webデザイナーの転職活動に関するよくある質問
- 未経験からの転職活動、何社くらい応募するのが普通ですか?
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人によりますが、30社以上応募して、数社から面接の機会を得て、1社の内定を勝ち取るのが一つの目安です。書類選考で落ち続けても、心が折れないタフさが重要です。1社落ちるごとに、応募書類やポートフォリオを改善していきましょう。未経験からの転職は、決して楽な道ではありません。しかし、諦めずに応募を続け、フィードバックを活かして改善を重ねることで、必ず道は開けます。数十社落ちるのは普通のことだと理解し、長期戦の覚悟を持って臨みましょう。
- 転職活動の期間は、どれくらいかかりますか?
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ポートフォリオが完成してから、平均して3ヶ月〜6ヶ月程度かかることが多いです。働きながらの転職活動は、時間的制約もあるため、焦らず長期戦で臨む覚悟が必要です。早い人は1ヶ月で内定を得ることもありますが、それは稀なケースです。半年以上かかることも珍しくありません。大切なのは、焦って妥協するのではなく、自分が本当に働きたいと思える会社に出会うまで、粘り強く活動を続けることです。
- 面接時の服装は、スーツですか?オフィスカジュアルですか?
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企業の社風によりますが、迷ったらオフィスカジュアルが無難です。Web業界は比較的服装が自由な会社が多いですが、清潔感が最も重要です。事前に企業のサイトやSNSで、社員の服装の雰囲気を確認しておくと良いでしょう。スタートアップやベンチャー企業なら私服でも問題ない場合が多いですが、大手企業や伝統的な企業はスーツやジャケット着用が無難です。迷った場合は、面接日程調整の際に人事担当者に確認するのも一つの方法です。
- ポートフォリオは何作品くらい載せるべきですか?
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質を重視し、3〜5作品程度が理想です。量よりも質が重要で、一つ一つの作品について、制作背景、課題、解決策、工夫した点などを詳しく説明できることが大切です。作品数が多すぎると、一つ一つの印象が薄れてしまいます。自信作を厳選し、それぞれの作品のストーリーを語れるようにしておきましょう。また、作品の幅を見せるために、異なるジャンルのデザイン(例:コーポレートサイト、ECサイト、バナーなど)を含めると良いでしょう。
- 面接で緊張してしまいます。どうすれば良いですか?
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緊張するのは当然のことです。完璧な回答を目指すのではなく、誠実に自分の言葉で語ることを心がけましょう。事前に想定問答を作り、声に出して練習することで、緊張は和らぎます。また、「緊張しています」と正直に伝えるのも一つの手です。人間味のある素直な態度は、むしろ好印象を与えることもあります。面接官も人間です。完璧な回答よりも、あなたの人柄や熱意が伝わることの方が重要です。深呼吸をして、リラックスして臨みましょう。
- 年齢が高めですが、未経験でも転職できますか?
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30代以上でも、未経験からWebデザイナーに転職している人は多くいます。ただし、20代と比べてハードルが高いのは事実です。年齢をカバーするためには、前職の経験をWebデザインにどう活かせるかを明確に示すことが重要です。また、学習意欲の高さや、すでに独学で作品を作っているなど、具体的な行動で本気度を示しましょう。年齢が高いことは、社会人経験が豊富でビジネスマナーがしっかりしているという強みでもあります。その点をアピールすることで、十分に勝算はあります。
まとめ:自信を持って、未来の会社の扉を叩こう
- 簡単な道のりではない
- 答えを知っている強み
- 価値を伝える力
- 未来の仲間が待っている
未経験からのWebデザイナー転職は、簡単な道のりではありません。しかし、採用担当者が何を見ていて、何を求めているのか、その”答え”を知っているあなたは、もう他の何万人ものライバルから一歩リードしています。
あなたのポートフォリオと、これまでの人生経験は、あなたが思っている以上に価値のあるものです。大切なのは、その価値を、相手に伝わる言葉と形で、自信を持ってプレゼンテーションすること。
この記事をあなたの武器として、未来の会社の扉を、力強く叩いてください。スクリーンの向こう側で、あなたの力を必要としている「未来の仲間」が、きっと待っています。
転職活動は、あなたの人生を変える大きな挑戦です。不安や焦りを感じることもあるでしょう。しかし、諦めずに一歩ずつ前に進めば、必ず道は開けます。あなたのWebデザイナーとしての新しいキャリアが、素晴らしいものになることを心から願っています。
自信を持って、前に進みましょう。あなたなら、きっとできます。

